どうしようもない土砂降りのあと虹を見た

虹を見た
どうしようもない土砂降りの翌朝

本当にひどい雨で
前は見えない
傘も役に立たない
みんな濡れた
ずぶ濡れだった

そんな目にあった次の日
雨上がりの空にびっくりするほど
たくさんの虹が浮かんで
ずっと遠くまで続いていた

大きなアーチ 小さなアーチ
鮮やかな色
消えそうに淡い色
重なるように浮かぶ
幾つもの七色の架け橋

頑張って歩き続けた僕たちへの
ご褒美みたいに見えたよ
どのくらいあるんだろ
みんなで数えたっけ
あんな空を見たのはその時だけ
忘れられない美しい景色

今の世の中も先の見えないずっと止まない
激しい雨が降ってるようで
いつまでだろって嫌になる
だけどみんな濡れてるから
逃げる事も出来ず土砂降りに
打たれてる人たちがいるから
必ず止むと願いながら進んでいくしかない
止まなくても歩くしかない

いつか願いが叶って
安全に外を歩ける日が来たら
あのきれいな虹のように頑張った人たちに
素敵な事がたくさんあるといいな
世界中の人たちにあるといい

その日が来たらずっと会えなかった
あの人に一番最初に会いに行こう


21/08/29 22:58更新 / 香弥
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c