盆の送り火
盆の送りに吹く風に
ろうそくの火が何度も消えかかる
あなたが吹いて消そうとしてるの
もう少しいられるといいけれど
今年で何回目だろう
ようやく当たり前になった風景
おがらが燃えて煙が上がり
名残りを惜しむように
かすかに頬に触れてゆく
玄関先に立つ父と手を合わせる
ふたりで見送る母の魂
牛に乗ってゆっくりと
あたりを眺めて帰ってね
夏の入道雲が真っ白に
広がる空から手を振って
おひさまみたいに笑って見せて
また来年
後ろで父もまたねと言った
その声がなぜかとても可愛らしい
今年も無事終わった盆の送り火
こうして迎えて送りたい
来年もまた父と一緒に
変わらずふたり一緒に
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