ぼくのほんと
ぼんやりしてると
ふいにきみのイメージ
顔を思いうかべる前に
きみの名を呼んでた
この頃 毎日テレビが世界中の
愛する人を失った誰かの声を
伝えてる
それを見るとぼくのほんとが
ほとばしる
嫌だ 行かないでくれよ
ここにいてくれ
らしくない声がもれる
きみを失うなんて
安心してただ幸せを感じてたのは
いつまでだったろう
そんなときは過ぎてしまった
今はそんな時代じゃない
病気だけじゃない
地震や台風 やがて来る別れ
そんな未来を憂慮してる自分がいる
ぼくの手はきみが望むほど強いだろうか
きみを守れるだろうか
ぼくのほんとが恐れてる
悲しい未来なんかいらないんだ
先細りになっていく時間なんか
巻き戻せないならせめて止まれ
きみがまだぼくの隣にいるうちに
ぼくの手がきみの手を握っているうちに
ずっと一緒にいたいんだ
ぼくのほんとがわめいてる
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