狐花

何度日が沈み

何度朝が来ようと

もう会うことは出来ないであろう

そんな貴方を何時までも想い続けております

もう今世では巡り会う事が出来なくとも

常世の先にてまた出逢える日を祈りながらも

何度泣いて

何度叫んで

何度貴方への想いを宣ったか

私の涙が輝いて見えて

それが、最期に貴方と見た花のようで

永遠に、と言う言葉は
終ぞ、好きにはなれなかったけれど

それでも貴方にだけはこの言葉を

私が逢いに行く際は

一緒に見たあの花を持っていきます

枯れてしまわぬよう大事に
沢山の土産話と一緒に

あの花の色と同じ口紅を塗って

「相変わらず綺麗だね」と言ってもらう為に

また私に恋をしてもらう為に

そんな、先の先を夢みて

ええ

ええ


私は、その時を楽しみにお待ちしております

今年も、狐は庭の周りを駆け回っております

25/09/15 03:29更新 / 黒ノ猫
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