狐花
何度日が沈み
何度朝が来ようと
もう会うことは出来ないであろう
そんな貴方を何時までも想い続けております
もう今世では巡り会う事が出来なくとも
常世の先にてまた出逢える日を祈りながらも
何度泣いて
何度叫んで
何度貴方への想いを宣ったか
私の涙が輝いて見えて
それが、最期に貴方と見た花のようで
永遠に、と言う言葉は
終ぞ、好きにはなれなかったけれど
それでも貴方にだけはこの言葉を
私が逢いに行く際は
一緒に見たあの花を持っていきます
枯れてしまわぬよう大事に
沢山の土産話と一緒に
あの花の色と同じ口紅を塗って
「相変わらず綺麗だね」と言ってもらう為に
また私に恋をしてもらう為に
そんな、先の先を夢みて
ええ
ええ
私は、その時を楽しみにお待ちしております
今年も、狐は庭の周りを駆け回っております
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