終夏

夏が終わった海辺の夜空は

濁りのない澄んだ空で

雑踏の中の上澄みだけをすくったような空で

静かに輝く星は

見上げる僕を見下ろした

絶え間ない波の音と

たまに聞こえる鳥の声が

僕の静寂を呑み込んだ

秋の蝉が忙しなく鳴り響き

僕の寿命はまた一日削られる

そんな幸せな

僕の夏の終わり

25/09/12 00:03更新 / 黒ノ猫
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