紫菫
あとほんの少しだけ
僕の世界に優しさがあれば
目の前の鏡は割れていなかっただろうか
あともう数cm
頭を前に出せたなら
この心に溺れることは無かっただろうか
昨日手放したそれ(if)は
どの部屋で泣いている僕のものだっけ
ノックした分だけ返ってくる
ノックされた分だけ息を殺す
横たわるベッドが棺なら
そのまま安らかに眠らせてくれと
画面の自分に愚痴ってる
勝ち負けはないのに負け続け
あるはずのない勝ちに拘った
瞳を閉じた数分後には
手の届かなかったほんの少しが
僕の(もしも)として掴めますように
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