十三夜の月天女
幾重にも 玉露の様な
白金色の光が
波間に散りばめられる
月色に染められた
羽織が揺らめいて
月天女が金色の結い髪をほどく
その髪が天女の背中に垂れる
美しい肌の蒼白き光に息を飲んで
輝く海面を背に滑り落ちる
髪飾りの青い蓮の葉を小舟にしたら
白金色の波間をゆっくり進む
泥のまじった
蓮の花の匂いもゆらゆらと
優しい横笛の音色とともに
流れていく
君と風を感じて波間を行こう
いつまでも
いつまでも
月に惹かれて
風に包まれてこそ
絶え間なく
寄せては返すあの波は
産まれるらしいから
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