もぐらタタキ
久々のショッピングモール
ゲームセンターに行くと
今の最新のゲームやガチャに
目移りしてしまう
雰囲気だけでも楽しんでいる
ふとあなたはどんなゲームがすきなのだろう
と思ってみたり
どこに行くにも
ゲームの照明のガラスの反射に
人々の笑顔の残像に
あなたが映る
まるで一緒にいるようだよ
機械音が
現実世界から離れる濁流音
無心にコインゲームをやってみる
落ちそうで落ちない
ちょっと笑った
本当は
最近見当たらないレトロな
ゲームをさがしている
もぐらタタキ
今やどこにも見当たらなくなった
田舎の古い温泉旅館くらいには
あるだろうか
あのゲームをするのは
ちょっとためらったな
幼い頃兄が得意気にもぐらを
バシバシたたくのを
ちょっと複雑な気持ちで見ていた
本当の本当は
あのゲームの中のもぐらに
なってあっちへこっちへ
顔を出してみたい
叩かれたら笑い合いながら
次はあっちへ顔を出してみっか
なんていいながら
あなたと二人で遊んでみたい
もぐらタタキのもぐらが
なんとなく好きだった
にっこり笑って
飛び出ては引っ込む
見ているとこちらが元気になれた
二人笑って遊びつかれたら
深く潜って
もぐらの巣で
一緒に静かに目を閉じる
そんな二人の住みかを感じて
生きる
でもチャリーんっで
現実世界に叩き起こされるけどね
少しの間
故障中の張り紙をしてみたいよ
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