月牙泉
月のかけらが落ちていたら
教えてくれませんか
そっと拾って
取っておきたいから
今描いている絵に
細かく砕いてふりまくんだ
夜明け近く
暗がりのホームに差し込む陽の光に
小さな塵が舞って
未来が希望に踊っているのを見た気がしていた
月のかけらを探している
十五夜を過ぎたら少しずつ欠けていく月の闇に吸い込まれそうになる
君が放った
その言葉だけが
牙の様に刺さる
言の葉がくるくる
からから 空回り
すこし身もだえてしまうほどの
言い訳をしないといけないお互いの過去は穏やかながら
今無口でも月を見るだけで通じ合えている
そうだよとまだ欠けても綺麗に月も光る
なのに牙の形に欠けてしまった部分が気になってしまうよ
君の悲しみ
でも 君にそう感じさせているのなら
それも私の一部なのかもしれないね
ただ わからないんだ
なにもかもが
ただ言えること
君の言葉に心が揺れて
傷つきもするし
喜びに震えもする
心が動くんだよ
ただ心深く響き合っている
その事に感動している
唯一無二を感じている
それだけしか言えない私なんかって
思われてももうかまわない
君は君の欲するように
生きてほしい
わがままを言えない同士
悲しみが無口にさせて…
月のかけらが落ちていませんか
誰かの涙が凍ったような
そんな月の欠片
少しずつ拾い集めて
胸の奥のポッケにしまっておくと
いつか願いは叶うかな
シルクロードに今なおこんこんと湧き出る月牙泉
牙の形をした砂漠のオアシス
砂とならずに泉になった
確かにある
月映す奇跡の泉
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