木霊する
悲しげな縦笛のしじまのような音色が
青々としげる草の匂いと一緒に
運ばれてくる
川のせせらぎにも似て
人の心の岸辺に静かに流れてくる
大きな木立の木陰に立って
夕刻のチャイムと重なり聞けば
ふと君の痛みや苦しみが胸をつく
ただ木立に寄りかかり身を寄せる事しかできなかった
木立と私を中心にして
縦笛の悲しげな音色は
風と舞い
緑の薫りをくんじ
鼻腔を通りこの胸をついて
大聖堂の讃美歌のように
鳴り響き
ひとすじの聖杯のような
涙となる
ああ 君よ
安らかなる夜に眠れ
いつか実る
その傷だらけの心よ
散り落ちた
言の葉のベッドで
安心して眠れ
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