月と歩む

遠くの雷鳴がビカビカ光り

月が雲に隠れたり出てきたり

薄あかりが雲海を怪しく白く
透かして

まだ遠くの雷鳴の転写燈

手持ちライトを大空に向けて

チカチカさせて

雷鳴さまと交信だ

雲の早さと雨との競争だ

私はここだよ

雷を落とさないでね

でもあんまり怖くはないな

雷鳴さえも慈悲深く轟いて

あの綺麗な月が優しく

ゆっくり

隠れたり出たりしながらも

後ろを振り返るとついてきてくれている

ライトを月にむけて

しっかりみつめてニッコリとする

月歩 げっぽ 一歩 一歩

足元には甘えたがりの猫じゃらしの穂先が

植え込みのライトに照らされて

神秘に可愛く揺れている




22/08/27 08:47更新 / 檸檬
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