月と歩む
遠くの雷鳴がビカビカ光り
月が雲に隠れたり出てきたり
薄あかりが雲海を怪しく白く
透かして
まだ遠くの雷鳴の転写燈
手持ちライトを大空に向けて
チカチカさせて
雷鳴さまと交信だ
雲の早さと雨との競争だ
私はここだよ
雷を落とさないでね
でもあんまり怖くはないな
雷鳴さえも慈悲深く轟いて
あの綺麗な月が優しく
ゆっくり
隠れたり出たりしながらも
後ろを振り返るとついてきてくれている
ライトを月にむけて
しっかりみつめてニッコリとする
月歩 げっぽ 一歩 一歩
足元には甘えたがりの猫じゃらしの穂先が
植え込みのライトに照らされて
神秘に可愛く揺れている
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