初夏の銀色
シロツメクサが枯れる頃
ススキが白い羽毛の穂を広げ
少女の髪は風なびき
少年の影絵が遊ぶ
夕日があかあかと茜色
悠久のくすのきよ
抱きしめてもなお
手を結べることはなく
天に向かって
大地に根をはる
背中合わせに私の戯言を
大きな幹で受けとめて
天を仰げば優しい木陰
包んでくれた揺れながら
シロツメクサが枯れる頃
ススキが白い羽毛の穂を広げ
月夜に光る白銀色の
羽毛雪のぬくもりよ
ゆらゆら揺れていざなうよ
白銀色の羽広げ
飛んでいかせて
忘れさられた面影よ
初夏に降る
銀の雪原 夕日と月に映るとき
涙の星が光るとき
白銀の羽
やさしいやさしい
あなたの手
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