君に届け
午後五時の
チャイムの音は
恋は水色
夕暮れ前の白銀の光が
川の表面を撫でながら
キラキラサラサラと流れる
五月の川辺は眩しくて
川の深さを忘れます
青い空には鯉のぼり
青い青い鯉のぼり
少年だった君の笑顔に
光る影
柳の優しい木陰で読書する人
その横を
マラソンランナー風を切る
五月の川辺は無口ですが
進んで行きます
木々の緑に日が差して
冴えわたる緑の光明と葉陰
はっきりと映し出された
影絵が風に吹かれて揺れている
「好きだけど嫌い」
「会えてよっかた、もう放っておいて」
「寂しいけどもう行くよ」
五月の川辺は光と影がはっきりとしてきて
それでも進んで行くようです
時の波間のブランコを漕いでいる
あの人の頬に映る木陰が
揺れていてきれいだった
ゆっくり漕いで
さようならのようだった
それでも輝いて見えるのは
五月の日差しのせいでしょうか
このつかの間の優しい輝きを
肺の奥まで吸い込んでみる
まだ明るいけれど
もうすっかり夕飯時
見上げれば
五月の夕日は黄金色
真っすぐに真っすぐに伸びる
薄明光線 飛行機雲
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