五月雨の午後
夕刻の雨の匂いを風運ぶ
嵐の雨でも優しい歌よ
五月雨が
雨に打たれて雨粒を
ゆっくり落として
跳ね返る
五月の木の葉は
鍵盤の音
藤の花
川面に映り流れ行く
水鏡に映る心は
魅せられて
ただ揺れていた
驚いて
吸い込まれるは
滝の音
白い光を織り成して
いつのまにまに大海原へ
深く豊かな海となれ
白い紙と
ペンで作った小舟を浮かばせ
あとは風に吹かれて進む
それだけでいい
幸せのイメージにつつまれて
月影を踏む
涙の海に溺れそうな夜は
月の光に照らされて
青白く光る
あなたの手を思いながら
彷徨う旅をしたい
夕立の雨のしぶきに思い出す
雨宿り
急いで駆け出し
笑った虹色
雨上がり
濡れた足元軽快に
サンダルの音響く午後
会話も弾んで
光を纏う藤の花道
青空を引き連れて吹く嵐
龍の様に宙を舞う
カーテン越しに影揺らし
濡れた木の葉が光る庭
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