雨の心拍
雨の日に会ったひとを慕う
冷たくなってきた雨だから
濡れないように日傘は辞めて大きめの傘にした
雨垂れが次々と落ちる音
雨粒の中で息をしているみたいなひととき
わたしたちはうまれてゆく
ひとつとなって
寝息に問いかけられている三日月
その尖端に解けて夜空へ雪崩れゆく濃霧
ただ、夜は眠るしかなかったというひとを包めよ
風邪などひかないように
雨粒をあたためてゆくように
沢山の波紋の輪を数えずにただ音をきいて
身体の中でお互いの心拍が輪を描いている
素晴らしい夜に眠ろう
25/10/31 23:43更新 /
檸檬
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