黄金(こがね)を浴びて
キンキラとした秋の澄んだ夕焼けが
枝葉の合間をそよいで映るから
髪と背骨に黄金を浴びながら
風のように枯れ葉を掃いてゆきたくなる
一昨日には私が雨になった時
きみも次の日雨になった
そうして今日の空は秋晴れで
雲ひとつなくて
ふたり、ブルーバスに乗って
雨粒を運んでいったんだ
音楽が時間差を埋めてゆく
重なった心を染めてゆく銀杏の葉
蜘蛛の巣も絹糸の光をはなつ
ブリリアントな秋の光だ
真昼の中三階から眺めれば雲は藍色の山峰に
寄り添うように浮んでた
サイレントクリアな青空だった
集めた落ち葉の静脈を透かしてゆく夕暮れ、
レントゲン写真の部屋の窓辺に映る木々の骨組み
焚き火台で何を焼くの、ホクホク顔で
小高い丘で額の汗も、頬の雫も
黄金(こがね)に染まって、
五時の恋鐘(こがね)も鳴っている
きみは知っているはずだね
背骨まで透かしてゆく
ブリリアントな秋の光を
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