笹舟とオリオン

竹林がさやさやと風にかき鳴らされて

夜空には光る笹舟が浮かんでいる

雲を透かして白い波紋が波打って

波止場には船頭さん

わたしはあの笹舟にのってゆくように

良い夢をみたい

ムクドリの鳴き声、秋の虫音、

空を移動する鈍いゴオという風の音は

胎内で聴いた

母の静けさと安らぎの音

夜の森

獣も食べない毒キノコが白く光っている

わたしはそのキノコになってみる

一番星にココニイルヨと瞬いて

森に生まれた星母子

笹舟には小さな飛沫、森のミクロ菌を

浴びながら、土草を滑り

竹林の沢を落ち葉とともに下ってゆく



















25/10/19 12:00更新 / 檸檬
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