風が運ぶ予感

どこからともなくやってきて

どこからともなく去って行く

気まぐれな風は

優しくかけ抜けて

甘い予感だけを残して

穏やかな海辺に

波を産む

打ち寄せては

引いて行く

ただ見ていることしか

出来ない無力さ

手にも取れず

気まぐれな風

ただ吹いては消える

月影と星屑の波の狭間に

揺られて

さ迷って

流されるだけ

あの水平線に夕日が溶ければ

美しいあなたを思う

ため息を

吐息に変えたら

吐息だけでも

気まぐれな風に

さらってほしい



22/03/12 16:27更新 / 檸檬
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