芋
【短歌十首】
上手な消え方をあの雲に聞いてみたいような雨のち晴レルヤ
鳥、虫、草、土の声
心のままに歩こう北風吹く道を
あのひとの笑顔あったから生きてきた
わたしはきっと詩人ではないな
シャンプーの香りがするくちづけ
炭酸の中にさくらんぼの種
きみはわたしの手当てが上手
安心して入って眠る手術室
ポツリポトリと屋根の上
金平糖の音がする今朝の雨粒
芋虫をふんわりと枯れ葉で包む
君の温もり命繋いで
あなたの閉じゆく瞳の中で
どうかわたしを眠らせてほしい
同じ夢の中でときめきをくれる
あの唄のエコーに目を閉じて
手話をする空間が好きという
きみの目が好きだからみつめている
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