【短歌十首】

上手な消え方をあの雲に聞いてみたいような雨のち晴レルヤ


鳥、虫、草、土の声
心のままに歩こう北風吹く道を


あのひとの笑顔あったから生きてきた
わたしはきっと詩人ではないな


シャンプーの香りがするくちづけ
炭酸の中にさくらんぼの種


きみはわたしの手当てが上手
安心して入って眠る手術室


ポツリポトリと屋根の上
金平糖の音がする今朝の雨粒


芋虫をふんわりと枯れ葉で包む
君の温もり命繋いで


あなたの閉じゆく瞳の中で
どうかわたしを眠らせてほしい


同じ夢の中でときめきをくれる
あの唄のエコーに目を閉じて


手話をする空間が好きという
きみの目が好きだからみつめている







24/10/19 09:20更新 / 檸檬
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