秋時計
秋霖(しゅうりん)明けの青空は少しヒンヤリして
気持ちが良いね
そんな何気ない話をあのひととしたひととき
一面のススキが揺れる白波に
洗われたような気持ちを秋風に吹かせてゆく
引いては寄せる潮騒
あの唄が心を撫でるとき
白銀の波間が矢継ぎ早に青に溶けて
空を見上げれば鱗雲の合間を
金色に染まった扉が開いてゆく
いつからなのだろう あの唄が懐かしいのは
秒針さえ動けば 時を刻む時計
壊れてしまったかのように止まってしまった時が
秒針の歪みを修理して再び動きだす
電池、、柳が撫でる水面、月浮かばせたあの唄
電流、、花、咲き乱れ、枯れ、掠れゆく声
電波、、ススキ、潮騒、鱗雲、クジラ、砂浜、
風
月時計
花時計
砂時計
風
落葉(らくよう)
わたしは包まれる
落葉(らくよう)
夜をすり抜け
落葉(らくよう)
あの街灯りで紅く灯る言の葉
風
落葉(らくよう)
公園のベンチまで
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