一隻

【短歌八首】


ご近所に涼香涼菓子自家製蜜の鮮やかなかき氷店


甘味を求めて歩く人らは朗らかな空気を纏(まとい)て眩し


太陽の匂いのお布団にふっくらと包まれ眠れ我が子ら


時という水の底に種が落ち揺れながら咲いたふたりの水中花


あなたがいつか悲しみを雨降るように告げられる海になりたい


きみのココロ真心の響きは
わたしの心臓の中の宝石


好きな器に一酔千日の如きごちそうを乗せてさらわれたい


甲板、なびくきみの髪の波
吾は海中を漂う一隻に





24/08/26 17:40更新 / 檸檬
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