ひとつひとつの窓から

梅雨明けのような久しぶりの星空

沢山の雨粒が日差しに乾されて

夜空に輝いている

希望を抱いてあのひとはひとり眠る

夕景を胸の中に溶かして

明日へと輝きを増す大切な時だから

わたしはそっと黙って見つめているんだ

白昼の眩しい日差し、鮮やかな木立ち

深い緑の茂みをかき分けて、辿り着きし家路

その窓辺から 

夏の夕景はようようとして胸に染み入る

夏雲は夕焼けに焼かれ細くなり

茜色は小さく小さく線香花火の
最後の残り火のように時を震わし揺るがしていく

あなたとの時の火種はパチパチと愛おしく弾けて

そっと夜との合間に落ちた

雲が花火のように焼かれ、

夜風が仄かに香っていく夜空には

星がひとつひとつとても綺麗に瞬いていた















24/07/20 22:38更新 / 檸檬
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