ひとつひとつの窓から
梅雨明けのような久しぶりの星空
沢山の雨粒が日差しに乾されて
夜空に輝いている
希望を抱いてあのひとはひとり眠る
夕景を胸の中に溶かして
明日へと輝きを増す大切な時だから
わたしはそっと黙って見つめているんだ
白昼の眩しい日差し、鮮やかな木立ち
深い緑の茂みをかき分けて、辿り着きし家路
その窓辺から
夏の夕景はようようとして胸に染み入る
夏雲は夕焼けに焼かれ細くなり
茜色は小さく小さく線香花火の
最後の残り火のように時を震わし揺るがしていく
あなたとの時の火種はパチパチと愛おしく弾けて
そっと夜との合間に落ちた
雲が花火のように焼かれ、
夜風が仄かに香っていく夜空には
星がひとつひとつとても綺麗に瞬いていた
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