波長の調べ
あの海に浮かぶ船にわたしの言葉を
ひとつ、ふたつ乗せていってください
5時のチャイムが鳴るときに海の心部が波打って
あのひとの心の浜辺まで届くように
白昼の地平線上に映らなかった
日々の暮らしが紅く透き通るほど
ゆらいでしあわせだったから
こだまかえす汽笛と
波の音がとても穏やかに聞こえたから
あの海に浮かぶ船にわたしの言葉を
ひとつ、ふたつ乗せていってください
自分だけの心音を聞くだけの旅だった先に
いつの間にか海に溶け出来て行く道
あなたの心音と静かに波打った
海はいくつもの紅い波動をなびかせて行く
どこまで 届くだろう
どこまで
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