水無月の文(ふみ)

【短歌十首】


スズ虫と湯らいで昇天
傘下の雨唄きみの名をつぶやいた


水無月の
源氏ホタルと姫ホタル 
命の灯し火を文にして


雨上がりどこから来たのトンボ達
空中を音符が舞って夏へ


秘密の花園に
愛の強要は御法度だと息づく青嵐


曇天のスマホ画面に
三猿は恥ではなく役に立つ杖技


花占いをしながら野道を歩いて
笑い合った みなの笑顔も咲いて散る


ハードなハートからつきせぬ思い
ひと雫の優しい道が歩みを導く


断捨離 
シンプルライフ謳歌し
きみと同じ笑いの壺は残す


不動大山 流れ行く川 夏木立
いつもあなたは在ってくれた


山脈と水平線上の波長
奏でる夏の調べ両手をひろげて

24/06/29 18:39更新 / 檸檬
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