雨の部屋で
【短歌十首】
横になって
いくつもの水溜りが出来て行く
目を閉じて映るもの
煌めく夢
輝きの中には硝子の破片もある
知っているから
名状しがたい白々とした煙霧に曇る鏡笑顔はどこ
チェリーをくちずさみ
プチッと種を出して蘇るあの日の戯言
曇天に食べたくなる元気玉
黄色が映えるとタマゴサンドを作る朝
梅雨の団欒
手巻き寿司に爽快な
青しそと梅が仲間入り
紫君子蘭、アガパンサスアフリカンという名に心染まる
愛の教養はないままがいい
雨音に消え行く遠くの汽笛
ラジオ波で読んで貰えたら
ただ嬉しかったあの時の気持ちのまま
どこ吹く風の音
雨音に響かせたウクレレ
目を閉じておやすみ
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