螺旋階段
【短歌十首】
幾重にも重なった青葉の空に
目を閉じて音だけを聴きたいと
蝶々が螺旋状に舞うあの光の中に
知り得なかった想い結んで
イヤホンで聴く懐かしいメロディ
振り返ったあの人は誰をみている
ソプラノの鼻歌は自転車の青白き青年ツバメ引き連れ
くちびるに砂がまざったキスをして涙で崩した砂の城
砂は石、冷たさを握りしめては
涙冷やされ眠れた夜よ
夏の大三角
刺されても蚊帳の外で眠りたい
大の字で
投げ入れられたおもちゃ箱の中で
目が合った僕らのトイ・ストーリー
ひとり上手な時に書いた詩
それでもいつか誰かに読まれたかった
胸にいるきみを想えば階段も
ピアノの鍵盤音色奏でて
TOP