からたちの花に吹く風
なにをねがったの
その噛み締めたくちびるで
からたちの花の甘いかおり
なにを目指したの
その真っ直ぐな瞳で
からたちの花がゆれている
なにを無くしたの
からたちの棘の中
何を失いたくないの
からたちの花が咲いて
風になれたら
いつか誰かの風になれたら
そうねがったの
からたちの花がさいた
からたちの棘の中で
からたちの白い花がゆれている
ただあなたに吹く風になれたのなら
とてもしあわせだった
その言葉が嬉しかった
風になれたなら
いつか誰かの風になれるなら
穀雨が降る夜
実りをまつように
からたちの花がさいて
からたちの棘の中
からたちの白い花がゆれている
雨に実れと夜にふる
白い光はからたちの棘の中に咲く
あなたへと吹く風になれるなら
もうこれ以上は何も心配はいらないと
ただ傍へ無邪気に笑って駆けてゆきたい
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