冬の窓 十景

家訓とす
くだり階段最後の一段は
足元を確かめて



氷雨ふる
君に弱音を吐く夜は
ただ落ち溶けて眠りゆきたい



君夜空へ膨らむ心は
1ミリも寒さ刺さらぬ満月に



あなたの柔らかなささやきが
真紅に落ちた寒椿の道かな



すみっコぐらしをきみとする
小さくて静かに笑う花を植えよう



青い小池に浮かんだ白月に
釣られたように歩く散歩道



白月は
梢に咲いた紅梅のかんざし
挿してお澄まししてる



月の扉
闇に光る瞳と今日の記憶が
溶けあって深く眠る



夕焼けの雲のチークにほころぶ
木々の枝の間に桃色吐息



冬の窓に自分を写し
ただひたすらに投げる直球
春風よ

24/01/26 21:05更新 / 檸檬
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c