トワイライトに染まる船

あなたの似顔絵を書いているよ

唇のりんかくを思い出してる

耳のりんかくも思い出してる

髪はライオンのように風に揺らめいて

だけど目だけその輪郭が思い出せない

思い出すのは闇に光る瞳だ

あなたの鼻筋は

これじゃ、、目隠しされた

福笑い

そうね、ふたりで笑った

笑い声、その笑顔

いつの間にか

わたしは花束を描いていた

わたしの手とあなたの手が

描かれた花束の絵だよ

イルミネーションを通り過ぎ

冷たい夜を越えて

この大切に抱えたものを

届けようとおもった

あたたかなものに包まれて

わたしにはないものの眩しさに

目の前がゆらぐよ

あなたから届いた贈り物は

わたしの見たこともないものだった

すこしその前でたじろいだ

やっぱり闇にはっきりと光って

あなたはどうして、、

どうして、その瞳はと、

聴いてみたいよ、

これから

これから 今から 未来へ

だけど似顔絵も花束もこの手から

消えていく

だからわたしの記憶に残していくよ


トワイライト


トワイライト


梢に光るトワイライト


どこまでゆけるか


空の深みを知りながら


野の花は咲いた


なだらかな山並み


街明かり 通過するヘッドライト


薄暮はふるさとの海の色


遠くゆれる燈火に流れる雲が染まる


どこまでもはこんでほしい


僕らを


私たちを乗せて

23/12/31 17:49更新 / 檸檬
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c