樹洞に守られて

あの森の樹齢の長い木には


樹洞と呼ばれる空洞がある


夜になると


聴こえてくる命のメロディー


フクロウ、ムササビ モモンガまでも


樹洞の中で身体を休めて


生まれたばかりの赤ちゃんと


寄り添う時間があるという


キツツキが突付いた跡


傷跡ついて 


その部分が朽ちて創られる樹洞


空洞に響く音は


バイオリン ギター ウクレレか


樹洞からヒョイッ出てくる愛くるし


カンガルーのお腹みたい


年齢を重ねることは


悪くないかもしれないね


いろんな音を響かせられたら


あたためられたら、、


そんなゆめなかにいるような


聖夜の歌があの森から聞こえてきた

ようなきがした




あなたが守りゆくぬくもりは

小窓からあなたに触れたような

愛のセレナーデ



夜、わたしはずっと樹洞の中にいたのかもしれない


朝、目覚めると


しんと冷たい夜に降りる霜が木漏れ日と手を取り


小鳥がぴーヒョロチュッチュと鉢の水氷をつついた


飛び立った空の雲は山の峰に寄り添い浮かんで


天高く満天の空はどこまでも澄んでいた


陽の光と風にいだかれ


わたしは氷が溶けゆくように


とても気持ちよく笑っていた


冬麗の青さに


あなたを恋しくおもった

23/12/29 09:36更新 / 檸檬
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