うた唄う
枯れ草の柴山に夕陽がさして
赤レンガの街を思い出す
冬の三日月が
胸ポケットに入ったみたいに
痛いくらいな希
冬の青草 よく見ればあり
青いままに冬を越そうと思った
一匹の遠吠えが響く住宅街に
狐霊していく野生達
なにものにもなれなかったけれど
生まれてきてよかったと思えた朝に
甲高く響く小さな子の泣き声よ
いずれ聖夜の鐘となれ
深夜 置かれたままのコップの中の氷
音をたてた冬秒針
君に褒められたあの日は
心から自分を好きになれた記念日
冬の朝 木漏れ日が心を撫でる
カーテンレースときみのうた
きみの言葉をなんども思い出し
1日を頑張れたということ
蟻の目線で
真っ赤な椿に迷い込む
好きだ、ただそれだけになる
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