五円玉 ふたつ
黄金の稲穂が
刻まれた五円玉
あなたの生まれ年のもの
わたしの生まれ年のもの
五円玉 ふたつ
この世の流れの中で見つけたよ
鐘の音に導かれ
四国霊場
第31番札所 五台山
金色院 竹林寺へ
百年以上生きてきた
苔の緑が美しい石畳
その上に紅いもみじが
散り落ちて
愛らしく迎え入れてくれる
門をくぐれば
黄色に色づく銀杏の木
黄金の絨毯 はしゃぐ幼子達
両手いっぱいに木の葉を持ち
パッと頭上に舞い投げる
笑い声も天を舞う
四国巡礼 お寺の鐘のね
紅いもみじと一体となる
紅い五重の塔
その眼下には
美しい名勝庭園
隣接した宝仏館
古い蔵には収められたる
平安からの精巧麗美な仏の像
故に古人何を想う
四国巡礼 お寺の鐘のね
人の少なき細道へ
祈れど
心は揺れる
落葉のごとく
来世はありますか
あなたに会いたい
あなたといたい
四国巡礼 お寺の鐘のね
その想いを収めよと
五円玉 ふたつ
手元に届く
丸い黄金の稲穂をふたつ
ぎゅっと握りしめ
投じて 祈る
実りの秋には
又いつか
天空を舞うように
幼子達を
笑顔いっぱいにしておくれ
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