白月と夕焼けの道
あの人のメッセージが
やけにあたたかくて
ポロポロ ポロポロ
丸い涙が落ちたのさ
ふと見上げると
青空が綺麗でさ
導かれるように
バルコニーに出たのは午後3時
まだ夕焼けには早い秋晴れに
緊張の糸が切れて
腫れた心が解けるきがした
雲ひとつない青に綺麗に
干し上げてみたかった
雲ひとつなかったけれど
2階のバルコニーからの私の目線の先にあったのは、
霞んでしまいそうな朧気な雲
秋晴れに泣きだしそうな
潤んだ気泡の雲ひとつ
美しい小さき霜の輪郭
それは白い月だった
消え入りそうな白月
僕はここだとよ微かに笑って
真っ赤に滲んだ私をそっと見ていた
じっとその瞳を
夕日のような真っ赤な目で
私は見つめ返した
霜の月
透けた瞼よ 浮舟よ
いつの間にか
私の涙は吸い込まれ 笑っていた
あなたに泣かされ 澄んだ空
籠から飛び出したような
小鳥の心を
この空に放ちたくて私は出掛けた
白月とゆこう
白い浮舟にのって
風にのって
秋晴れの道を自転車でゆく
きみは私との距離を縮めることも
遠ざけることもせずに
微かな微かな微笑みで
静かについてきてくれる
夕焼けになった私の目線の先に
白い月のあなた
夕焼けポロポロ 泣けてきて
夕焼けワンワン 泣いてみた
夕焼けニャンニャンできないけれど
あなたとのサイクリングは
風をかんじて楽しいな
道端の白いコスモスにはっとする
触れると心がふわっとした
あなたに触れたみたいだった
紫や桃色のコスモスも優しくて
あの人みたいに可憐だった
赤紫の朝顔は元気をくれて
白いススキは心を撫でてくれた
白月のあなたと夕焼けになった私の
優しい優しい帰り道
夕焼けチリチリ 自転車の
夕焼けポロポロ あなたと私
秋空みたいな心と心は
幾星霜と澄んでいく
そんな優しい帰り道
本当の心は
朧気な
あの浮舟に乗って
君のもとへとゆきたいのです
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