銀色の月明かり

銀色の月明かり


知らず知らずいつのまにか



あなたの後ろにかくれようと



あなたの心の影を踏んでいたかな



近づきたくて



ごめんね



本当は



どういう形であれ君を遠くからでも慕っている



とそう思う 



そう思わせてもらえている



ゆっくりゆっくり



時が流れていく



その中で一本の茜色の糸を



大切に守りたい



柔らかい風が銀色に染められて



二人の髪も銀色で



川辺をゆっくり歩いて帰る家路



そんな柔らかな暮らしの色合いに
そまる夢



縁側をピカピカに磨いたら



みられるだろうか



くだらない話しなんかして



笑いあっている



銀色の髪を靡かせて



言の葉の星空を二人で見上げている



そんな夢



そんな無邪気な熱をいつまでも



持ち続けられたらと



願うことからはじめるのは



許してもらえますよねと聞く星空



ゆっくり帆を張って行けるところまで



たどり着く所まで 



帆を降ろす最後には隣り合う二つの影がみえたらと思っていた



過去の傷跡には触れられなくて



癒えない川が流れるのを



ただぼんやり見ている



水になって流れる記憶



癒える場所に行けるようにただ願う


震える月明かり



そんな夜風を送れたら



火照った頬を冷やせたらと



今思い返せば



傷ついた漆木(うるしぎ)のような



あなたの内部から染み出る樹液



満身創痍の傷口から


危うい光沢


それでも夢をみるんだと


明るく笑う


銀色の月明かりのよう



知らず知らずにいつのまにか



わたしを照らしてくれた月明かり




23/08/26 23:36更新 / 檸檬
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c