三日月に風船

金魚すくい 
きみの横顔 すくう手に 
私もすくってほしいけど





きみの部屋の水槽へユラユラ降り
立つ海月になってパラシュート





かき氷
キンキンに冷えて震える
紫色に火傷しそうだ





君の指が波のようにふでをとる
団扇と麦茶を横に置いたよ





月夜映りて
稲穂も揺れて
危うい狂気も優しく目覚めて





背中越し
耳をあて花火の音と君の鼓動を
重ねてみたくて





三日月の流す涙をぬぐいたく
屋上から飛ばした風船




秋の風
鈴の音色をカクテルし
瞼に浮かぶ月を飲み干す
































23/08/25 22:28更新 / 檸檬
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