忘れられない夏に暮らした
夜露が頬を伝う時
きみがくれし子守唄ゆりかごのように
ナイターの聴衆に紛れメガホンで
きみへの気持ちを叫んぶサワー片手に
闇を切り裂けーなんて叫けんでる
車の間を突っ走る猫に
海のゆりかご夢うつつ
さらわれ波にあっというまに
君のそば
豆腐屋の豆腐
醤油屋のしょうゆと削りかつおで
夏の食卓
夕暮に自転車をつく
君のとなりで聞く幸せのベルならし
寝苦しい夏夜は夕立が何度か降れば流して涼風
幸せの風が吹いてるそんな気がした縁側に君が扇ぎし
朝の改札を通る風はもう君に会える夜を思って吹く
新天地流るる川に橋渡る旅立つこころで聞く水音
トランクになにを入れていくきみの詩集
生きている
きみの言の葉運ばれし
手に取る吾幸せ者なり
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