夢の深呼吸
深い深い眠りから目覚めた
深い眠りが与えてくれたのは
幻と夢のような呼吸
外には草原が広がっていた
風がひんやりとほってた頬っぺたを
撫でている
どからか子供のはしゃぐ声が聞こえてくる
麦わらに網とむしかごを持って
上ばかり見て走り回ったあの頃
確かにあった笑い声
あの頃の君
蝉をうまく取ったけど
すぐに放したね
そして無邪気に笑うんだ
そんな風に笑えるんだね
「サナギの頃から一緒だったからね」
あの頃の縛られない自由な心の君
その笑顔が夏の空を何処までも
遥か遠くへ青く澄んでいく
眩しくて手を伸ばすのをためらって
しまうほどの遥かな空
私はまだしっかり立ててないけど
いつか一緒に駆け回りたい
空を見上げれば一羽の鳥が
めいいっぱい羽を広げて
地平線彼方へ飛んでいく
どこへ行くの
どこへ行くの
私も行ってみたい
まだ霧がかった森の中にいる
ひんやりとした湖の水で顔を洗い
スゥ―ッと息を吸い込んだ
霧をぜーんぶ吸い込んだ
柔らかな光が
足元まで差し込むように祈りながら
スゥーッと霧を吸い込んだ
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