文月の空のはじまり
夏至過ぎて
たわわなヤマモモ熟れ落ちて
さらに真っ赤な君のくちびる
見える距離
先導ランナー涼しい顔して
いつも背中をありがとう
竹林道
日に染まる笹の枯れ草黄金に
風に舞い君から届く千の文かな
船酔い気味の沖釣りは
目線に浮かぶ非日常の海面揺れて
鳥や虫の交響曲
万緑を呑みこみそうな
牛蛙
青芝にスプリンクラーが嬉しそう
四方の田んぼも青さ満面
一緒にないてくれるのか
大樹からこぼれた雫に
涙こぼれた
先生へ
あなたが読んでくれるから
書いていこうとペンをとります
夕空
まだ青が染み渡り
雲間へ水彩絵筆が伸びをする
オレンジが霞がかって泣きそうに
凍らせた涙のシャーベット
溶かせて君とひとつのコップ
ストロー差して顔が近いと笑い合う
七夕前の満月はさえさえと
花火みたいに光って祈るよ
嵐が小雨になるように
二人が流れ去られてしまわぬように
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