赤色電波塔への願い事
ぼんやりと白熱の街灯の上に
大きな山影
ちらほらちらちら ほら
ちらほら灯る赤色電波塔
ちらほらちらちら
星ひとつ見えない夜空に灯る
ああ今は
あのちらほらちらちらが
なんとなく優しいよ
まあなれっこさ
ひとりの留守番は
なれっこさ
でも大切な影が一緒だ
嵐にだってかきけされないさ
わずかな明かりでも傍にいるよ
そんなせつない歌声が
聞こえてくる
そんな私も
留守番さ
でもなぜか
あのちらほらちらちらに
ほっとしてしまう
だって
あれがなきゃ
ずっと留守番じゃない
あの人の歌声も聞こえやしない
そんなの嫌なんだと
赤色電波塔よ
あの人に届けておくれよ
ホタルのようなともしび
さあもうすぐ今日が終わるよ
見上げる頬に
雨がちらほらちらちら
落ちてきた
おやすみ
おやすみ
もうおやすみと
雨はいつか止む
そう思うと
安心して眺めていられるね
だから
ああ雨がじょぼじょぼ降ってきて
ああしょっぱいけれど
すっぱいレモンをきゅっと搾って
あの人に薫りも一緒に届けて
小さな幸せだね
ちょっとほろ苦いけど
少しだけ痛みを忘れるには
よかったのかもしれないでしょ?
そうしてもう良く眠るのさ
おやすみ
おやすみ
もうおやすみよ
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