サヨナラは糸の雨音

ワイシャツ 
襟元ボタンが取れやすいの
しっかり念入りに針と糸



霧雨街灯に
切れ切れの糸光る
歩くひとり君恋しと




あの頃幻に恋し
情熱捧げ
彫り上げた石像眺め




石像に血が通った
瞬きに似た一瞬のあたたさ
忘れない




お互いに
ちょっとずつ無理をしていた
そんな気がする君の告白に



溝だけは
埋められないほど深まって
涙がながれて湖となり



柳雨
岸辺にそよいで雫流れる
泣いていいよと撫でてくる



あなたを傷つけるからと
エゴみせて
心をかくす悲しい関係



悲しみが棘でなく
甘い蜜ならあなたに香る
花になるのに



サヨナラだけが
二人の道だ 流星ながるる
夜空を見上げよう



サヨナラは
出会いがあるから
言えるのね出会えて
よかったとあなたに言いたい



真実に一度抱きしめられたから
何が起ころと
どこへ散ろうと


23/05/13 17:32更新 / 檸檬
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