光る一雫
外気温が交差点では上昇
選挙カーや工事現場の音も鳴り響く
これも穏やかな日常の為の
営みのひとつ
回る始まる 摩擦音に目を覚まし
外に出る
国道を離れた河川敷にある
みどりの広場
陽射しが強くなり
黄色の蝶々が日に照らされて
金色にみえる
風が木葉をゆらして
その間をヒラヒラと飛んでいく
風の流れにのって
川縁には水草がそよぎ、
小さな魚が
穏やかなな流れに泳いでいく
水面は反射光のくずがまぶしい
目をつぶるよ
今日は休日だから
黄砂なんかは気にせずに
原っぱに寝転んで
目をつぶる
光の残像が残って
春の香りに誘われる
身体がふわっと軽くなって
風と川の流れとひとつになっていく
私はまるで
さらさらと流れる川の一雫になる
はらはらと舞い散る葉っぱになる
そうして流れついて
あの海の一部になった
あの山の土となった
名前あるひとりの人間でも
忘れて、過ぎていく
その流れの中で、掬われた気がした
雨に濡れた葉っぱが
土になる
いつか芽吹く双葉もみたい
たとえいつか記憶に残れなくても
さらさらと流れて最後にはあなたの微笑みをみていたい
さらさらとはらはらと
川にそよいで
風にふかれ
いつの間にかたどり着けた場所
私はあの時にいた
あなたの手に触れられた一瞬に
弦が弾かれ
巣箱から羽ばたく音をきいた
奇跡という光の花束を受け取ったみたいに
私は流星の中にいたんだ
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