息吹き香る夢の国

明日から天気予報は雨がつづくらしい、

雲が薄墨のように滲み広がっていく

仕事帰りの車、渋滞の向こうの空

夕日が雲間を照らして

薄明の銀色の梯子を降ろしている

カーラジオからはゆっくりと流れる
はじめて知った歌手の澄んだ歌声

住宅地前の交差点に入ると

下校途中の子供らが見える

あのこの顔が浮かんで

親しい友人の顔も浮かんだ

ゆっくりと帰ろう

薄明と銀色の梯子をみながら

あなたにも逢いたくなった

雲間の光に顔が浮かぶよ

きっと笑顔なんだ

明日から雨が続くらしいけど

この光りを覚えておこう

あの銀の梯子の下までいけば

天国に導かれて

あなたにも逢えるのだろうか

空は繋がっている

だからかあの優しいひかりが降りて運んできたものは

私の大切な人たちの笑顔

春を迎えた草花の香りだった

 ささやかに

この地でまた生きていきたい


( 今もまだ夢の国



愛しい命に包まれた夢の国



幸せ過ぎる夢の国



きっとある向こう側の世界



だから守りたい



風船みたいに割れないように



ゆっくりと膨らんで



野花のようにゆっくりと咲いて



何気ない囁きも



あの人の口唇は宝石で



微笑みは瞳に虹を架けるから



その微笑みは守りたくて



弱小でもそれだけは出来ればと思う 



実際はわたしが守られているのだろう



気づいてたけど



気づかないふりをしていた



気づかずにいた ここも天国



あなたが生きてる



ここが天国 )
























23/04/15 17:09更新 / 檸檬
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