息吹き香る夢の国
明日から天気予報は雨がつづくらしい、
雲が薄墨のように滲み広がっていく
仕事帰りの車、渋滞の向こうの空
夕日が雲間を照らして
薄明の銀色の梯子を降ろしている
カーラジオからはゆっくりと流れる
はじめて知った歌手の澄んだ歌声
住宅地前の交差点に入ると
下校途中の子供らが見える
あのこの顔が浮かんで
親しい友人の顔も浮かんだ
ゆっくりと帰ろう
薄明と銀色の梯子をみながら
あなたにも逢いたくなった
雲間の光に顔が浮かぶよ
きっと笑顔なんだ
明日から雨が続くらしいけど
この光りを覚えておこう
あの銀の梯子の下までいけば
天国に導かれて
あなたにも逢えるのだろうか
空は繋がっている
だからかあの優しいひかりが降りて運んできたものは
私の大切な人たちの笑顔
春を迎えた草花の香りだった
ささやかに
この地でまた生きていきたい
( 今もまだ夢の国
愛しい命に包まれた夢の国
幸せ過ぎる夢の国
きっとある向こう側の世界
だから守りたい
風船みたいに割れないように
ゆっくりと膨らんで
野花のようにゆっくりと咲いて
何気ない囁きも
あの人の口唇は宝石で
微笑みは瞳に虹を架けるから
その微笑みは守りたくて
弱小でもそれだけは出来ればと思う
実際はわたしが守られているのだろう
気づいてたけど
気づかないふりをしていた
気づかずにいた ここも天国
あなたが生きてる
ここが天国 )
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