暮らしの森 仕合わせの布
階段登る手に
買い物袋に
小さく作る喜び詰めこみ
森の奥
けものの心で言葉を吐いて
君のことばで息を吸う
春の雨あたたかく
柔肌の新芽に
根づいてゆけと子守唄
雨が上がり
きみの部屋のカーテンゆれて
斜陽に撫でられ光る髪
精霊のあなたの息づかい
その木の葉の下で
ねむりにつきたい
朝顔に夕顔
露に澄むサンカヨウ
咲き方までも多様なら
猫がいる部屋に
住むあのひとはやっぱり
魔法が使えるペンをもち
無言でもたたずむ
ふたりでいられたなら
信じられたら空見上げ
ふるえ微かな息が風になる
確かにいると伝える夜風に
破れたこころを縫い合わせ
手と手で広げたら ほら
仕合わせの布
カーテンをあける
穀物の香り
宝石箱の暮らしのはじまり
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