林檎の白月

寒空は水彩絵具で
書いたような水色

白い半月うっすらと

溶けてなくなりそうな氷雪

涙がそっと乾いていく

林檎の皮を
なるべく薄くクルクルと
回し剥く
丸い白月あの
半月の形に切って
サクりとかじれば
みずみずしき薫り

夕日が西に輝けば

風も立ち

月が白無垢の上に

さえざえと光の衣を纏うのよ

寒空にあたたかさをのこして

さあ 君にも

林檎を切ってあげるよ

夕日に透かせば

傷む心さえ

月夜に甘さが増すらしい





23/02/04 01:27更新 / 檸檬
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