fly me to the moonにのせて
熱ざえてうなされている夜
幼い私は母を待つ
母が持ってくるあの缶詰
ガラスの器に入った
まん丸の桃と散りばめられた蜜柑
熱砂漠の夜には甘酸っぱいこの味が
目の奥までしみわたる
私の手を取り額をなぞる母の手
熱にうなされ目の前の物体が歪んで行く奇界を放浪していた私を導いてくれた母のひんやりと柔らかな手の感触
そして優しい眼差し
あのひと時を待ち焦がれていた
すっかり大人になった今も私は
あなたに熱ざえうなされている
眠りに落ちるその前に
あなたの愛してるを待っている
手を取りそっとキスを
そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを待ち焦がれている
私を月へ連れて行って
月の光に照らされて
私の肌は青白く輝き
星々を宝石として、
きっと嘘みたいに綺麗でしょう
その魔法がかった光に陶酔して
あなたに行かないでそばにいてと
ハラハラと涙なんかを流したり
なんかしちゃったりして
儚い女性を演じてみたい
夢の夢の月の世界へ
眠りに落ちるその前に
あなたの愛してるを待っている
手を取りそっとキスを
そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを待ち焦がれている
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