雪国
雪降り積もる
一粒一粒
静かに積もる
その静けさの中に入っていきたい
雪玉模様と涙の色は
自分の弱さ、醜さ、悔恨、嫉妬、怒りを秘めている
黒いカラスが支配していく
真っ白な世界なんていらないと
あの深い雪影に潜んでギリギリと
弓を張り詰め矢をむけている
もう一人の自分がこちらを狙っている
でも私はそこに行かない
もう行かないよ
遠くから両手を挙げて降参 そして手を振るから
美しい景色だけは心に宿してみたい
だから サヨウナラ
真っ白な雪原に一本の木立
風にそよいで震えながら響く音
風に弾かれた光が砕けて
雪景色に溶けこんで消えていく
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