雪ふるように

雪ふるように

逢いに来てほしい

風を受けた羽がフランネルのように

雪ふるように

見つめてほしい

地に落ちる十秒前が
スローモーションのように

こんこん こんこんと

しんしんと、

真っ白なこころで

真に迫る眼差しで、

夏の雨のように

木枯しのように

桜の花びらのように

すぐに流れ去ってしまわないで

ゆっくりと積もる

白い時を積もらせて

深紅な心を、真白に包んでほしい

ススキの穂が凍って削られて

木綿の道が続いていく

サクサクと白い音を匂わせて

真っ赤な頬に鼻先

吐く息に滲む淡雪


























23/01/01 09:23更新 / 檸檬
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