宇宙の片隅にある庭から

庭先の縁側下の桶に溜まった水が風に揺れている

光の屈折に

自分の心をみる

矛盾だらけにみえて

全てに意味があるような

この宇宙の片隅にある庭から

見上げる空

大空に凧を飛ばしたあの日の風

風と綱引きして大空を駆け抜けた

心は秋晴れ大運動会

グラウンドいっぱいに響くスタートのパッパァーン

グラウンドいっぱいに響く

あの子の真剣な眼差しが空に刺さる

いつしか 空は雲ひとつなく

ただ あるがまま あらわな 心

ただ 君がすき

空が高く

手を伸ばしても届かないけど

その空を

洗濯物が揺れる庭から眺めている

宇宙の片隅のこの庭から

君の庭先まで手をのばす

手を引けば

凧糸を引く君の手が見えるから

よかった そう

よかった 満天の笑顔が空に舞っている

大好きなその笑顔

遠くの空に舞う笑顔の凧糸を

この宇宙の片隅から

風に乗れと

今日も少しだけ手繰り寄せる











22/11/12 15:07更新 / 檸檬
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