理想の母ではないけれど

仕事があるのに
寝坊してしまい

あわてて
起きると

いつもなら
午前は遅くまで寝ている母が
起きてきて

私が寝過ごしたと知るや
朝食を用意してくれた

母は
自分勝手で
家庭を省みない

退職する前の母に対して
そんな印象を抱いていた

今も

家の建て替えに
一生懸命になるより
家族一人一人を
よく見てほしい

父に対して
乱暴な口調は
やめてほしい

なんて
色々と母に対して
不満ばかり抱いている

私の理想とは
かなりかけ離れた
母親だけれど

母なりに
不器用な優しさを
こうして示している

母なりに
娘である私や
家族を想っているんだ

そう
気付くと

何だか
許せなかった
色んなことが
どうでもよくなりそうになって

朝ごはんの味が
いつもより
美味しいと感じた

理想の母ではないけれど

やっぱり私の母は
この人しか
考えられないや

何て
思ってしまった

22/08/06 11:35更新 / アキ
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