私の祈り
誰かを想って
苦痛が和らぐように祈ること
私にとってそれは
難しい
というより
できない
辛く苦しい想いをしている人
弱っている人
痛みを抱えている人の
想いの塊が自分にのしかかり
自分もしんどくなるからだ
他人の痛みが分かれば
ヒトに優しく出来る
という観念は
私には通用しない
私は
痛み苦しみを与えてくる人に対し
怒りさえ湧く
だって意味が分からない
同じ想いをしても
相手は満足しない
ずっとしがみついて
痛い苦しいと訴えるだけ
哀れみは誰も救えない
注目して慰めて諭しても
相手は私から離れようとしない
離れたとしても
居心地の良さからか
またやって来る
次第に私は余裕をなくして
キレる
痛み苦しみが分かりすぎても
どうやら
誰も助けられないらしい
訳が分からない
どうして痛烈に感じてしまうのか?
感じても何も出来ない私に
どうしろというのか?
対処のしようがない私は
怒りに燃えながら
祈っている
痛み苦しみがなくなるようにと
自分のために
どうかお救い下さいと
自分のために
相手のために祈る余裕は
ない
そんな善良な心はとっくに消えた
弱り、苦しみ、傷ついている人達に対する
哀れみや慈しみは
どこか欠けてしまった
わらにもすがる思いでしがみつくヒトに
水の中へ引きずり込まれ
一緒に溺れていく
それを不本意にやられると
しがみつく相手に怒りが湧き
突き飛そうと躍起になる
罪深いことだと分かっている
だからこそ祈るのだ
どうか私の罪をお許し下さいと
無力で自分のためにしか祈れない
私をお許し下さいと
私だって
救われたい
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